73 相談事例7-① 認知した子供との遺産分割協議について 【相談内容】 昨年、父が亡くなったので、父名義の土地について、自分で相続登記をやろうと思い、ネットで調べた手順に従って、除籍謄本を収集していたら、父が40年前に認知した子供が二人いることが判明した。 母は、認知の件は知らないが、その相手の女性にはお金を渡して別れてもらったので、相続の権利はないはずだと主張している。自分は全く聞いていなかったし、今後、どのように対処すればいいのかわからない。 【相談回答】 戸籍に、認知の旨が記載されている以上、相手方女性に既にお金を渡してあっても、子供たちは法定相続人ですから相続分があります。その二人にそれぞれ連絡を取って、遺産分割協議に応じてもらう必要があります。 先ず、二人に対し、手紙で「〇〇の死亡により相続人となったこと、相続財産として何があるのか明確にするため目録を作成し、かつ、法定相続人は全部で何名か」を伝え、そのうえで、遺産分割協議に応じてもらうよう要請します。相続財産全体の評価や、相続人の人数にもよりますが、相続税がかかるようでしたら、申告期限まであまり時間がありませんから、この段階で、分割案を提示しても構いません。 手紙を受け取った人の反応は様々ですが、最初から正確な情報を提供し、相手方の権利を尊重する内容であれば、協力を得られるケースが多いように見受けられます。会ったことのない相手にいきなり自分で連絡を取るのが躊躇われるようでしたら、弁護士に依頼しても構いません。 なお、何回か手紙を送っても全く反応がないとか、返信はあったが協議には応じてもらえない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。
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