相談事例集_202111
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相談事例4-④ 盗み癖が心配な子どもへの対応 35 【相談内容】 買ったことのないキーホルダーを小学校高学年の子どもが持っていたので問いただしたところ、お店で欲しいなぁと思って見ていたけど、家に帰ったらポケットに入っていたとのこと。本人に悪気はない様子だが、子どもに盗み癖があるのではと心配でたまらない。どう対応すればよいか。 【相談回答】 今回の相談のように、一人での万引きの場合は、知的能力に問題がない子どもなら、無意識でという可能性は低いので、保護者は叱責するのではなく、本人の気持ちを支えつつ、十分に本人から事情を聴きだすことが大切です。本人が自分の行為をどう思っているかを聞き出し、反省しているようなら、被害を受けた店への謝罪を責任をもって行うように支援する対応が中心になります。 親が共に本人の行為と真剣に向き合うことが、本人の気持の成長に大切です。しかし、万引きの頻度が多い場合は、児童精神科医への受診も検討が必要です。 【補足説明】 万引きについては、集団での行為か、単独での行為かによって対応が大きく異なります。集団による場合は、友人関係における本人の地位、本件への関わり方、背景にある家庭や学校での本人の存在感の希薄さなど、家庭で取り組み解決できる問題以上に学校や地域との連携で取り組まなければならない問題も多いので、地域の少年相談センター等の専門機関に、本人の同意を得て、本人と共に相談に行くことが望ましい。

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