相談事例集_202111
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③ 更新料の支払の事実自体が②と同様である。 ① 借地借家法施行前に設定された借地については、法定更新の場合、期限前に建物が朽廃したときは借地権が消滅するのに対して、合意更新の場合は、期間満了までは終了しない。 ② 合意更新の方が、将来の更新の際の地主の更新拒絶について正当事由の判断について、借主側が有利な事情となりうる。 相談事例2-④ 地主への更新料の支払いについて 19 最高裁判例(昭和51年10月)で法定更新の際の地主(土地賃貸人)への更新料の支払義務を否定しています。地主に対して、更新料の支払いをすべきか、すべきでないか悩んでいます。 【相談内容】 【相談回答】 借地権の更新料については、法律上の規定はなく、あくまで地主と借主の慣例的なものです。とはいえ、借地契約の際には、更新料を取り決めるのが一般的であります。従って、地主と借主の間で更新料支払いの合意があれば、支払い義務は免れません。 借地権の更新には、法定更新と合意更新の二通りがあります。 法定更新は、借地権の期限が満了しても、借主が土地の使用を継続し土地の上に建物がある場合には、期限が過ぎても賃貸借契約(借地契約)が同条件で継続された扱いとなるものです。一方、合意更新は、地主と借主の下で更新するもので更新料の支払いが発生することもあります。 東京近郊の場合、地主への更新料として更地価格の2~3%(借地権価格基準は3~5%)程度の支払があるのも事実です。条件が揃えば、借主に更新料の支払義務はないのですが、借主側で敢えて更新料を支払うメリットとしては、下記の通りです。 1. 法定更新よりも合意更新の方が借地権をより強化できる。

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