相談事例集_202111
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相談事例1-⑥ 退職金の受け取り方法について 9 【相談内容】 主人が退職するにあたって、退職金を一時金として受け取った方が有利ではないかと思っている。ご意見を伺いたい。 【相談回答】 年金で受け取る場合には一般的に一定の予定利率による利息(運用益)も加算されるため、一時金で受け取る場合よりも受取総額は多くなります。 したがって、単純に考えるとこの予定利率よりも高い運用ができる自信がある方は一時金で、自信がない方は年金で受け取るのが有利となります。 一時金の場合、退職所得控除額以下であれば課税対象となる所得は発生しませんので税金はかかりません。また、退職所得控除額を超える場合でも課税対象となる所得は超えた金額の1/2となるため税負担が軽減されています。さらに退職所得は給与所得、不動産所得、事業所得、雑所得などと合算されず別個に税率がかけられるため(分離課税)、相対的に低い税率が適用され優遇されています。 年金で受け取る場合には税金のほかに国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料への影響も考慮する必要があります。 また、これらのほかに一定の所得水準がある場合には、70歳以上の医療費の窓口負担が増えたり、高額療養費制度における自己負担限度額が上がったりする場合があります。年金で受け取ることで所得が増え、医療費負担が増える可能性があることにも注意が必要です。 一時金で受け取る場合は、次の点に留意して、老後資金の問題について、ご主人とよくご相談なさったうえで方針を決定してください。

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