表-5 旅行先上位20(都道府県別)順位前回1243561178129101314161516---前々回12-13-10-714-1911637412-17-今回123456789911121314141617181919※総件数は1997件(単位:件・%)旅行先件数京都奈良東京大阪千葉広島沖縄長崎兵庫神奈川福岡熊本北海道山梨岩手長野石川佐賀宮城滋賀484374174173116736966565649262422222018171515構成比24.218.78.78.75.83.73.53.32.82.82.51.31.21.11.11.00.90.90.80.8 8 旅行内容会の少ない貸切バスが多く利用されていたが、旅行先がコロナ禍前に戻って移動距離が大きくなったことにより、JRや航空機へ交通手段が戻っている。 地域による差は、関東のJR連合体輸送が往路・復路とも75.0%と、他地域と比較して突出している。バス利用は、四国が往路60.0%・復路62.9%で、前回(往路84.0%・復路84.0%)より20ポイント以上減っているが、コロナ禍前の2018年度は約4割の利用で、他地域と比べてもともと多い傾向がある。航空機の利用は、関東が往路・復路ともに5.4%あり、コロナ禍前の2018年度の3%台から微増で、方面の多様化が進んでいると思われる。沖縄は他地域に行くには航空機利用が原則で、今回調査では往路・復路とも100%とコロナ禍前に戻っている。 表-5では、1回の修学旅行で訪れた都道府県を、滞在時間や旅行中の日程にかかわらず、すべて「1」とカウントしている。 旅行先順位は、1位京都(484件、構成比24.2%)、2位奈良(374件、18.7%)と前回と同じ順位になった。特に京都は、前回20.1%から構成比が大きく増えていて、コロナ禍前の2018年度の23.1%も上回った。民泊を実施していた地域がコロナにより受入数を縮小したり、2023年5月5日の能登地方の地震の影響などで、東北や北陸などから関西へ方面変更されたのも要因として考えられる。前々回調査で、コロナ禍により21位以下に順位を下げていた東京が3位、千葉が5位、13位の大阪が4位と、2018年度の順位に返り咲いていて、コロナで感染者が多かった都市部を避けていた傾向から脱却し、行先がコロナ禍前に戻ったと言える。続いて、広島6位、沖縄7位、長崎8位と平和学習関連の施設・プログラムの多い地域がコロナ禍前と同様に上位にあり、平和学習への関心が高いのがわかる。一方、北海道13位、山梨、岩手14位、長野16位、石川17位などは前々回より順位が下がっていて、コロナ感染予防のため近隣県や自県内で実施してきた地域が、旅行先をコロナ禍前の地域に戻していることが読み取れる。ただし、2018年度は20位以内に入っていなかった石川や宮城が20位以内に残っている。 なお、都道府県別旅行先の詳細はP12-13の表-13をご覧いただきたい。 P7・表-6における実施率は、国内修学旅行実施校985校に対する割合を示している。順位欄にある前々回(2021年度実績)・前回(2022年度実績)は、いずれもコロナの影響を受けた時期である。 上位1位~6位は、前回調査と比べて大きな順位の変動はなかったが、各活動の実施率が下がっていて、活動内容の分散化傾向が見られる。1位「遺跡・史跡・文化財・寺社等の見学」59.6%(前回調査61.8%)、2位「伝統的町並みや建造物群保存地区の見学」28.8%(前回調査31.9%)、4位「座禅、法話、写経等」13.1%(前回調査13.6%)、5位「絵付け・焼き物・伝統工芸等」10.5%(前回調査16.5%)と、旅行先1位の京都、2位の奈良と関連のある活動が上位を占める結果となっている。 3位「平和学習」(前回調査3位、前々回調査6位)が上位にあるのは、旅行先の6位が広島、7位が沖縄、8位が長崎である傾向を反映している。コロナ禍前でも2~3位であったが、ウクライナ情勢等による平和学習への関心の高まりも相まって、上位に入ってきている。 7位「職場訪問・職業体験・職業講話・工場見学など」(前回調査13位)、9位「伝統文化・伝統芸能、祭り体験」(前回調査11位)、9位「ミュージカル・演劇等の鑑賞」(前回調査17位)が順位を上げている。コロナの5類移行により、感染予防措置のため工場見学や職場訪問を制限していた企業が受入れを再開したことや、ホールや室内での鑑賞の利用規制が緩和されたことによると考えられる。 表-6にあげられた活動を分類別にまとめたものが、P7・グラフ-7である。「歴史学習」に重点をおくものが1010件・44.4%(全件数に対する割合、前回調査42.4%)と毎年1位となっているが、2位以下については差が減少傾向にあり、活動内容の分散傾向がここでもわかる。 P7・表-7は、都道府県毎の宿泊数を単純累計したものである。 宿泊地1位は京都で、構成比が38.8%(前回調査34.1%)と京都への集中を示す結果となった。 東京2位、沖縄3位、千葉4位、大阪5位、長崎6位は旅行先でも上位に入っており、旅行先と宿泊地が一致していることが分かる。 一方、奈良は旅行先では2位(構成比18.7%)であるにもかかわらず、宿泊地としては8位(2.9%)であり、この地域の宿泊地が京都に集中していることが読み取れる。 P7・表-8は、利用宿泊施設の種別に延べ宿泊数で集計6 教育旅行年報「データブック2024」(1)旅行先について(2)重点を置いた活動(3) 宿泊地・利用宿泊施設について
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