教育旅行年報データブック2024_S
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年 代主 な 出 来 事修 学 旅 行 に 関 す る 事 項昭和27年(1952)29年(1954)30年(1955)31年(1956)国際連合加盟成る33年(1958)岩戸景気(1958~61)34年(1959)●修学旅行専用列車運転開始  この年国鉄利用の修学旅行は延2,958万人で、全国の団体輸送の86%を修学旅行が占めていた。●修学旅行連合輸送開始○この年 和歌山県の中学校・高等学校の修学旅行は専用列車による連合輸送を行った。戦後の修学旅行専用団体輸送の始めである。○10月 麻布学園中学校遠足 相模湖で遊覧船が定員オーバーで沈没生徒22名死亡●文部省通達○4月 文部省は通達「小学校・中学校および高等学校の修学旅行等について」を出し 1、計画上の注意 2、引率上の注意 3、事故防止上の注意を示した。その中で「ただし保健所への連絡については、厚生省と協議の結果、今後次のように改めるので、これを励行すること」として、校長は旅行の2週間くらい前に、利用する旅館・弁当調製所の所在地の都道府県衛生部長あてに往復はがきを出し、関係保健所による衛生監督を依頼しておくことを指示した。また、旅行日程に無理のないこと、交通機関・出火等の避難・危険物の携帯などへの配慮や、事故発生後の連絡・措置などについても触れている。●紫雲丸事件○5月11日 国鉄宇高連絡船紫雲丸が濃霧のため同じ連絡船第三宇高丸と衝突。修学旅行中の高知県南海中学校(生徒28人死亡)愛媛県庄内小学校(児童29人、保護者1人死亡)広島県木江南小学校(児童22人、教師3人死亡)島根県川津小学校(児童22人、教師1人、保護者3人死亡)など374人の参加者の内109名の死者を出す惨事となった。●「修学旅行協議会」開催○6月 文部省は『修学旅行協議会』(委員26名)を開催。「紫雲丸事件をはじめ、修学旅行中の大事故続出の折からこのような事故を再び繰り返すことなく、児童・生徒の生命の安全を守る方途を講じ、また、修学旅行のあり方について根本検討を要する」ためである。協議会への諮問は「修学旅行の教育的意義をどのように考えたらよいか」など4項目であった。●文部省通達○9月 文部省は「小学校・中学校および高等学校の修学旅行について」を出し、「修学旅行協議会」の協議結果に基づいて、従来の諸通達で注意した事項に更に留意すべき点を加えて通達した。   この中では次の点に注目される。  ※小学校においては、宿泊を要する修学旅行は原則として行わないこと。  ※修学旅行の実施時期を分散するようにすること。  ※校長またはそれに代る責任者が必ず引率責任者となること。  ※いたずらに新コースを求めず、従来の経験をじゅうぶん生かすこと。●文部省「修学旅行の手引」を発行○9月 文部省は前年の修学旅行協議会の協議を基に『修学旅行の手引』(A5判120ページ)を発行、内容は計画、実施、事後の指導にわたっている。●参宮線列車事故○10月 参宮線六軒駅での旅客列車脱線衝突事故で修学旅行生徒(東京教育大学附属坂戸高校)に死傷者が出た。死者は生徒24人、引率者3人(うち1名は重傷で後日死亡)●修学旅行 教育課程に位置づけられる○8月 学校教育法施行規則の一部が改正され、小・中学校の『学習指導要領』に「学校行事等」が位置づけられ、ここで修学旅行は中学校で「学校が計画し、実施する教育活動」となった。なおこの学習指導要領による教育の実施は昭和35年からである。●修学旅行特別列車○6月 修学旅行特別列車が運転された。この年の輸送人員、87校、29,875人(「ひので」号の前身)●「ひので」号建造 「きぼう」号建造○9月 東京の中学生の修学旅行のための専用列車「ひので」号2編成24両の新造が国鉄理事会で決定。これは、東京都教育委員会、都公立中学校校長会、日本移動教室協会、日本修学旅行協会の協力による運動の結果であった。これに続いて京阪神三市も専用列車「きぼう」号の建造を決定した。●旅行費用の補助○2月 「就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給付に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律」の成立によって、要保護及び準要保護家庭の児童生徒に修学旅行の旅費の補助が行われることになった。日本修学旅行協会などの陳情による。(中学生1人当たり1,620円、小学生6年生1人当たり440円)この年に補助を受けた児童生徒は約19万人であった。その後次第に人数50  教育旅行年報「データブック2024」

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