教育旅行年報データブック2024_S
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142357689101345--279-530251表-7 宿泊地上位10(都道府県別)順位前々回前回今回12345678910※船中・車中泊除く表-8 利用宿泊施設設置者宿泊施設ホテル(洋室中心)旅館(和室中心)農山漁村でのいわゆる民泊民宿・ペンション自治体所有・公共施設(青少年自然の家等)車中泊・船中泊その他合計(単位:泊数・%)宿泊地延べ宿泊数沖縄北海道京都大阪千葉東京長崎広島長野兵庫その他宿泊総数90640336734426824820513074714373,453(単位:泊数・%)国公立私立全体構成比前回比1,7031,3383,041276971688.2 187621289354369構成比26.211.710.610.07.87.25.93.82.12.112.7100.02.8 8.0 ▲ 4.42.8 0.5 1.1 0.2 0.3 0.3 0.1 0.1 1,9731,4743,447100.00.00.0 9 班別自主行動影響している。 コロナ禍前の2018年度と比較しても、ホテルは増加傾向にあり、旅館は減少している。感染症対策としての1室あたりの人数減の定着に加えて、京都などを中心に教育旅行を受け入れていた旅館の廃業やインバウンド客向け宿泊施設への転換といった要素があると思われる。 その教育的意義からも人気がある「農山漁村でのいわゆる民泊」2.8%(前回1.7%、2018年度7.0%)は、コロナ感染不安や受入家庭の高齢化等により受入地域や受入人数が減少したが、コロナ禍明けからその多くが再開し、微増となった。ただ、各地域の受入数は減少しており、以前のような受入数を確保できる地域は少なく、近隣地域や広域で連携して受入れに取り組む地域も出てきている。 P21の表-9、表-10では、同じ公園内にある施設などは1つにまとめて集計した。また、「〇〇市内」等は集計せず、施設名が書かれている見学先のみ集計した。 表-9の見学先上位20では、沖縄、関東といった、元々多かった行先への復活傾向が見て取れる。1位ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2位東京ディズニーリゾートは前回と変わらないが、3位から7位は沖縄の見学先が占めた。ただし、コロナ禍前の2018年度は1位から5位まで沖縄の見学先が占めていたので、前述の旅行先で沖縄が1位に返り咲いたが、コロナ禍前の状況にはまだ戻っていないことがわかる。 関東では、20位以内に東京スカイツリーがコロナ禍前と同様に戻り、17位横浜中華街が新たに入った。 近畿では、8位清水寺、10位奈良公園・東大寺、15位金閣寺、19位薬師寺、20位大阪城などが前回より順位を落と20  教育旅行年報「データブック2024」し、前回上位20に入っていた海遊館や伏見稲荷大社が、ランク外となった。近畿での修学旅行では交通の便の良さから、班別行動で見学する場合が多く、感染症対策として貸切バスでまとまって見学していたものが、班別行動に戻りつつあると考えられる。 その他、9位広島平和記念公園や14位長崎平和公園といった平和学習での訪問先も例年通りランクインしており、併せて同じ県内の11位宮島・厳島神社、16位ハウステンボスもランクインしている。 地域別見学先上位5(表-10)を見ると、全地域ともに順位は変わっても人気の見学先が入っている 北海道では、2020年に開業したウポポイが前回に続き1位となっており、4位には、新たにルスツリゾートと北海道ボールパーク・Fビレッジが入った。どれも施設としての魅力だけでなく、教育旅行向けの体験プログラムを用意している。東北と中部では、蔵王・蔵王温泉スキー場と上越国際スキー場がそれぞれ1位となっており、ウィンタースポーツを体験させる場所が今回1位となったことが注目される。東北では、東日本大震災の被災地や伝承館が上位に入っており、改めて防災・減災や災害からの復興への関心が高まっていることがわかる。 コロナ禍前の2018年度と比べると、関東では、横浜中華街が新たに入ってきている。中部では、兼六園や白川郷などが入り、北陸新幹線を利用した北陸方面での修学旅行が認知されつつあるのが感じられる。九州では、知覧特攻平和会館や軍艦島が入り、平和学習や産業遺産への関心が高まっていると思われる。 班別自主行動実施率(P22・グラフ-8)は全体で86.3%で、前回77.6%、前々回54.4%より増えた。コロナ禍前の2018年度が85.3%、2019年度が85.0%で、コロナ禍前より微増となった。 班別自主行動の良さは、生徒達がお互いの関心を持ったテーマに沿って計画し、班のメンバーと協力して行動することにより自主性が養われる。また、現地での予期せぬ問題に対し、どう考え対処するか解決する力を育てることができる。実施後には、実際の行動での気づきや学びを、班のメンバーや他の班との対話を通じて共有し理解が深められ、学習指導要領で示されている「主体的・対話的で深い学び」に結びつく取り組みである。2022年から「総合的な探究の時間」が新設され、修学旅行をそれと関連づけて実施する学校も出てきていることが増加の要因にあると思われる。 また、コロナ禍前より増えた理由としては、旅行諸経費の急な上昇により旅行費用を抑える手段として、全体での見学や体験活動を減らし、班別自主行動を増やしたとも考えられる。 班別自主行動場所(P22・表-11-1)は、前回調査と比較して順位の大きな変更は見られない。ただし構成比は、今回も1位の京都市内が17.6%(前回25.0%)と落としていて、沖縄への修学旅行の復活により、1位から3位までの差が縮まっている。また、全般的な傾向として、沖縄本島内や広島~関西、小樽市内~札幌市内など、広域での班別自主(4)見学先について

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