周りの友達もやっているから、と野球を始め、高校でも専門学校でも野球漬け。プロも目指しましたがプロの2軍と対戦してその壁の高さを痛感しました。進学の際に大阪の専門学校に行ったのは、野球以外にもスポーツに関わっていけるスキルを付けたかったからです。そこでは柔道整復師の資格を取得できるとあって、ゆくゆくはサポートをする側に、とも思っていたからです。 卒業してからは接骨院にてスポーツにも相性のいいトリガーポイントマッサージ技術を身に着け、より深く関わろうと思っていました。しかし、大阪市内の接骨院では一般の肩こり腰痛の患者さんが多く、スポーツ選手を診る機会がほとんどなかったんです。そこで迷いました。このまま勤めて院長になるか、自分の道を貫くか、と。 そんなときに実家の両親が、実家を改装して開業してもいいと言ってくれたんです。元々帰るつもりはなかったのですが、ちょうど弟もプロを目指して野球に打ち込んでいて。自分も目指していたから、弟のケアも含めて近くで見守っていきたいと思うようになって、高浜に戻りました。 帰ってみて感じたのですが、自分が野球に熱心に取り組んでいたことを認知している人が多くて、自分の技術も含めて頼ってくれる人が多かったんです。口コミで町内に広がって、スポーツに関わる仕事も増えてきました。野球を始めとする運動の指導も、依頼をいただければどこでも出向いています。 自分の仕事は人を癒すこと。高浜の海はそれだけで癒されます。だから海にベッドを置いて波の音を聞きながらマッサージをしたり、早朝の朝日を浴びながらのマッサージもしているんですよ。ヒーリング動画では感じることのできない、本物のヒーリング環境が高浜にはあって、施術する自分も癒されるんです。 今考えると、大阪にいたら院内が自分の環境のすべてだったと思います。でも高浜では違います。自分の好きな風景、好きな相手、好きなものに囲まれていると実感しています。そういう環境だから自分の力が発揮できるんですね。今後は町の保健室的な立場で町の人をサポートできたらと思っています。サポートできるスキルをひょんなことから実家へ好きなものに囲まれる人生働く、ということ。後藤康耀さん高浜で1992年高浜町生まれ。自宅サロン「ボディケア la sincerite(ラ・サンサリテ)」を2016年にオープン。現在はサロンの運営を行ないながら、町内のスポーツ指導や健康に関する指導を行なっている。80Yasuaki Goto
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