海を守りたい。けれども何をすればいいのかわからない。日本中が知らない国際環境認証制度がすべてを解決する。 昭和より以前から高浜町は関西地区の避暑地としてその名を知られており、昭和に入っても、平成の世になっても海水浴客が訪れてはいた。が、大勢が押し寄せればモラルやマナーの低下は免れない。事実、迷惑行為を繰り返していた水上バイクやゴミの不法投棄、騒音問題に頭を悩ませていた。高浜町は漁業をはじめとして、民宿やお土産、飲食など、生活の糧がビーチと深く関わっている人が多く、モラルの低下は客離れにもつながり、生活が困窮する。そこで各団体を挙げて2013年「ジェットスキー対策会議」が立ち上がったことで水上バイクの問題は解消され、ビーチは安全になっていった。このとき誰もが感じた「この流れを終わらせてはいけない」が、「安心・安全な海構築会議」へとつながっていった。海は和田地区唯一の観光資源。浜の清掃も公衆トイレの掃除も、地区の人が進んでやってきた。しかし、来訪客の低下と町の人たちの高齢化を鑑みるに、将来は決して明るくない。何を、どうすればいいのか、誰も答えを持っていなかった。 時を同じくして、「快水浴場百選」に選ばれているビーチに対してアンケートのメールが6 世界50カ国、4378カ所のビーチやマリーナが取得する、世界レベルでの環境認証「ブルーフラッグ」。若狭和田海水浴場は日本初、アジア初の海水浴場として2016年、取得した。この道のりは一筋縄ではいかない。誰か一人が声を上げて完遂できるものでもない。これは町の人たちが全員意識を持って取り組み、成し得た奇跡と偶然の物語。ビーチの国際認証「ブルーフラッグ」取得!アジア初の快挙、Road to Blue Flag
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